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【あぁ、自分の感覚が鈍っている】


タイトルの言葉。つい最近、園児たちと多摩川で散策しているとき思った言葉。

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保育では、子どもが五感を使って過ごせるように働きかけしたり、環境を作っていく。乳幼児期に五感をフルに使い子どもの感覚を研ぎ澄ませることによって、興味関心が広がり子どはさらに育つ。この【五感】という感覚・感性は保育の中でよく用いる言葉で、大切にされている言葉だ。

生物学者レイチェル・カーソンは著書「センス・オブ・ワンダー」で言う

ー 子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。残念なことに、わたしたちの多くは大人になるまえに澄みきった洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直感力をにぶらせ、あるときはまったく失ってしまいます。もしもわたしが、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない“センス・オブ・ワンダー = 神秘さや不思議さに目をみはる感性”を授けてほしいとたのむでしょう。この感性は、やがて大人になるとやってくる倦怠と幻滅、人工物へのこだわりなど、心の病巣への解毒剤となるのです。 ー

それ程、子どもにとって感覚・感性は大切なのだ。乳幼児期は「これは○○って名前なんだよ」という知識でより、「これ、なんだろう?」「なにこれ〜!?」と思う感覚を大切にしたいし、子どもはその感覚で生きている。

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そんな感覚・感性を使って過ごしている園児たちと、いつものごとく大田区の自然スポット・多摩川を散策している時のこと。

春の恵みに溢れ、草花や小さな生き物に出会い、子ども達はワクワクながら歩いていた。すると砂利道に水たまりがあった。僕は(普段のことだ)となんとも感じずにいると、横にいた男の子がこう言った。

「どうしてここに水たまりがあるんだろうね?」

僕「なんでだろうね」(確かにそうだね〜)

「雨も降っていないし、川からも離れているのにね」

僕「ほんとだね、どうしてだろう」(考えてみると確かにそうだな〜)

「なんでだろ〜?」

「ん?・・・あれ・・・?」

「オタマジャクシがいる!!!!」

「ねぇ、ねぇ、みんなオタマジャクシがいるよ!!」

みんな「どれどれ〜!!!」

その後、園児達は大興奮してオタマジャクシと触れ合い楽しんだ。

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この出来事を振り返って、僕は自分の感覚が鈍っていたことに気がついた。水たまりは当たり前のようにいつもあり、いつも出かけている多摩川に対して鈍感になっているのかもしれない。

確かに、普段から子ども達と共に僕も感覚を研ぎ澄まし、新しい発見や面白い発見に気がつき楽しんでいるのは間違いない。しかし、より感覚を研ぎ澄まし、当たり前を流さず、敏感に過ごさなければならないと感じた。

大人になるとこの感覚が減っているのか鈍っているのかは分からないが、子どもに五感を使って過ごせるよう働きかけたり環境を作る者が五感を使わず感覚が研ぎ澄まされていないのであれば、とても悲しい現場だと感じた。

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3月から研究会「保育の専門性を高める会 -education journey-」を開始し、保育者が根拠に基づき論理的に科学的に語る・保育出来るようにするのだが、その一方保育者は感覚・感性が豊かで人間性溢れる必要もあると思っている。だからこそ、【大人が感覚・感性を高める・研ぎ澄ませる科学的な方法】と知りたいし、試みたい、シェアしたい。

まだまだ学ぶこと・研究することは多そうだ。(修平)


Aurora Jouney.について
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理念「大人が輝くことで、子どもが輝き、社会がより良くなる」の基に、子どもに関わる大人に対して、参加者との対話を大切にした場を作っています。

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代表のプロフィール
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久保田修平。1984年、東京都大田区出身。「世界の子育て、保育を知る旅」を掲げ、600日をかけヨーロッパ・北中南米・ニュージーランド・アジアの25ヶ国を訪問。

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